「Web会議で画面がカクつく」
「大きなファイルのダウンロードに時間がかかりすぎる」
「特定の時間帯だけ、極端にネットが重くなる」
オフィスや店舗でネットの速度に不満を感じたとき、多くの人が真っ先に疑うのは「Wi-Fiルーター」です。しかし、実はルーターを最新機種に変えても解決しないケースが多々あります。なぜなら、速度低下の原因は「末端(デバイス)」「経路(ルーター・LAN)」「根幹(回線)」のどこに潜んでいるか分からないからです。
今回は、ITに詳しくない方でもすぐに試せる、ネット速度改善のためのセルフ診断リストをお届けします。
ステップ1:特定の1台だけが遅い?「デバイス」の確認
まずは、問題が「職場全体」なのか「特定の誰か」なのかを切り分けます。
- チェック項目: 他のPCやスマホでも同じように遅いですか?
- 原因のヒント: 特定の1台だけが遅い場合、そのPCのOSアップデートが裏で走っていたり、ブラウザのキャッシュが溜まっていたり、あるいは古いWi-Fi規格にしか対応していない可能性があります。
- 対策: 端末の再起動、または不要なバックグラウンドアプリを終了させてみましょう。
ステップ2:配置や距離が問題?「Wi-Fiルーター」の確認
職場全体が遅い場合、次に疑うべきはルーターの設置環境です。
- チェック項目: ルーターの周りに金属製の棚や電子レンジはありませんか? 床に直置きしていませんか?
- 原因のヒント: Wi-Fiの電波は障害物に弱く、特に金属や水(水槽など)に吸収・反射されます。また、電波は下に向かって飛ぶ性質があるため、床置きは効率が悪くなります。
- 対策: ルーターを「床から1〜1.5mの高さ」で、できるだけ部屋の見通しの良い場所に移動させてください。
ステップ3:そのLANケーブル、古くない?「有線規格」の確認
ルーターと壁のコンセントを繋いでいる「LANケーブル」がボトルネックになっているケースは非常に多いです。
- チェック項目: ケーブルの表面に「Cat5(カテゴリ5)」という文字が書かれていませんか?
- 原因のヒント: Cat5の最大速度は「100Mbps」です。せっかく1Gbps(1000Mbps)の光回線を契約していても、このケーブル一本で速度が10分の1に制限されてしまいます。
- 対策: 「Cat5e(カテゴリ5イー)」または「Cat6(カテゴリ6)」以上のケーブルに買い替えましょう。数百円の投資で劇的に改善することがあります。
ステップ4:同時接続でパンクしている?「接続台数」の確認
オフィスや店舗では、想像以上に多くのデバイスがネットに繋がっています。
- チェック項目: PC、スマホ、タブレット、プリンター、レジ端末……合計で何台接続していますか?
- 原因のヒント: 家庭用ルーターの多くは、同時接続10台〜15台程度を想定しています。これを超えるとルーターのCPUがオーバーヒートし、通信が頻繁に途切れるようになります。
- 対策: 同時接続数に余裕のある「法人用(ビジネス用)Wi-Fiアクセスポイント」の導入を検討してください。
ステップ5:最大の盲点!「接続方式(IPv4 PPPoE)」の確認
これまでのステップを試しても、「夜間や昼休みなど、決まった時間帯に遅くなる」という場合は、設備ではなく「回線の通り道」が限界を迎えています。
- チェック項目: 接続方式が「IPv4 PPPoE」になっていませんか?
- 原因のヒント: 第1回でも触れた通り、従来のPPPoE方式は「網終端装置」という混雑ポイントを必ず通ります。これが通勤ラッシュのような渋滞を引き起こしているのです。
- 対策: 混雑を回避できる「IPv6 IPoE(次世代通信)」への切り替えが必要です。
まとめ:自社で解決できないなら「回線のプロ」に頼るべき
セルフ診断で原因が特定できれば良いですが、「設定画面の見方がわからない」「配線が複雑で手がつけられない」ということも多いでしょう。特に、スタッフが本業に集中すべきオフィスや店舗で、ネットの復旧に時間を溶かすのは本末転倒です。
ビジネスにおいて最も効率的なのは、「法人特有のトラブルを熟知したプロに一括でお任せすること」です。
